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番外編 悠仁さんが犯した罪の重さ

『相変わらず賑やかね』 「すみません五月蝿くて」 『休む暇ないんじゃないの?ちゃんと休んでる?横になれるときは30分でもいいから休まなきゃ、体持たないわよ。未知がゆっくり出来るようにって自宅に帰ったはずなのにね。みんな未知が好きだから自然と集まってくる』 千里さんの声はよく通る。 「たいくん、ここちゃん、せんりおねえちゃんだよ」 遥香が太惺の手を握り、一緒に手を振った。 『あら~~お姉ちゃんって呼んでくれるの。嬉しいじゃないの』 千里さんの声が一段と弾んだ。 『えっと…そこにいるのは心と七海だよね?鷲崎もいるの?』 「太惺が間違って鷲崎さんに電話を掛けてしまって……ついさっき電話が切れたみたい」 『そう』 何か用があるからわざわざ電話を掛けてきてくれた。 子どもたちには聞かれたくない話なのかも知れない。 心さんが察してくれて、遥香を部屋の外に連れ出してくれた。 『七海はいいわよ。いても。ハルちゃんお話しが上手だから、ごめんね』 「大丈夫です。もしかして奏音くんの事ですか?」 『あら、さすが察しがいいわね~~』 「悠仁さんは、奏音くんを梶山組に売り飛ばそうとしていた。彼や橘さんから聞いたときは信じられなかった」 『哀しいことだけど事実だものね。見付かった遺体、奏音くんのママだって判明したわ。問題は、元交際相手の身元。悠仁が当時住んでいたのは関西。なんでわざわざ関東まで遺体を運んで遺棄したのか、元交際相手の身元に関わっていたのよ』 7年前といったら…… 一太がお腹の中にいた頃だ。

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