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番外編 悠仁さんが犯した罪の重さ
そういえば彩さんの初公判来週だ。だから、こぞってテレビで取り上げているんだ。男を手玉に取る希代の悪女。我が子すら平気で殺める殺人鬼。みんな言いたい放題だ。
彩さんはお兄ちゃんを心から愛し、信じていた。でも結果的に裏切られ、折角授かった赤ちゃんを失い、心が壊れてしまった。誰よりもお兄ちゃんを愛していたからこそ、僕を憎み、殺そうとした。
「未知、同情したら相手の思う壺だよ」
僕の代わりに姐さん代行を買って出てくれた心さんが度会さんの家から戻ってきた。
「ごめんね心さん」
「別に僕は何もしてない。酔っ払いの相手と、お茶出しくらいしかやってないよ。あれ?たいくんなにしてるの?」
「悪戯されるから、スマホを隠して置いたんだけど、見事に見付かってしまって。どこのボタンをどう押したか分からないけど、たまたまだよ。偶然にも鷲崎さんに電話を掛けてしまったんだ」
「だからハルちゃんがたいくんを抱っこして、ふたりしてスマホとお喋りしているんだ。鷲崎、たいくんにメロメロだからね、今頃きっと嬉しくて泣いてるね」
「うん。遥香と鷲崎さんの会話を聞いていると面白いんだ。ななちゃんがいなくても寂しくない?って聞いておいて、あんまりしつこいからななちゃん、ハルちゃんのところに来たんでしょう。しつこくないの。って手のひらを返したように注意されて凹んだり……」
「鷲崎、ハルちゃんには敵わないもんね」
心さんがぷぷっと笑いだした。
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