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番外編 悠仁さんが犯した罪の重さ

「未知さん、先月の下旬から今日まで、3週間くらいですけど、見てください」 橘さんに言われ、ノートをめくった。 はじめの二日は▲で、三日目からは…… 「花丸だ。5月に入ってからは、記号じゃなくて平仮名で書いてある。ちゃんと日記になってる。一太くんとハルちゃんとあそぶのたのしい、あたらしいがっこうたのしい、きゅうしょくのピザトーストおいしかった、こふんにあそびにいった、かみすきした、ひやしそうめんした、みつきさんやさしいからすき」 一行の文字の数は少ないけど、奏音くんの素直な気持ちが込められていた。何回も書いては消してを繰り返し、一生懸命書いたんだと思う。 「光希さん、これを見たらきっと号泣するね」 「実際、泣かれて大変でした」 橘さんにノートを返すと、大事そうに鞄の中にしまった。 「奏音くんは縣の字が早く書けるように頑張って練習しているんですよ」 「あの遼成に自分の意見を堂々と言えるんだ。それだけでもたいしたもんだ」 彼の話しだと、うちの子になるか?と遼成さんに聞かれた奏音くん。はい、大きな声で返事をしたあと、じぃじといざわさんも一緒に面倒を見てくださいと、頭を下げ頼み込んだみたいだった。 「遼成さん、何て?」 「三人まとめて面倒をみてやるからいつでも来い。大歓迎だって。そりゃあもう、嬉しそうでしたよ」

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