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番外編 悠仁さんが犯した罪の重さ

「ひまちゃんご機嫌だね」 笑顔で話し掛けると、舌を出したり、ア~~と声を出したり、見てて飽きない。 「千里から連絡があったんだろう」 「うん。でも、まさか笹原さんに弟さんがいるなんて思わなかったからびっくりした」 「かなり昔に俺以外にも隠し子が何人かいるって笹原が話しをしていたことを思い出したよ。知らぬ存ぜぬで責任逃れ、笹原以外恐らく認知もされていないはずだ。恨まれても仕方がない。身から出た錆だ」 ネクタイを緩めると、すっと引き抜き、上着を脱いで座椅子の背凭れに掛けた。 「7年間行方不明だった息子が見付かったってのに、本人は最近付き合いはじめたこれと温泉旅行だ。しかも邪魔だからと護衛も付けずに。困ったもんだ」 小指を立てると深いため息をつき、あぐらをかいて座った。 「退院して介護施設で静養中だったはずじゃ…」 「女と酒と金にだらしないあの節操なしの先々代が大人しくしている訳がないだろう。笹原にだけは世話になりたくないと言いながら、金を無心し、挙げ句には組の金を勝手に持ち出してとんずらだ」 先々代をいまだに崇拝する幹部がいて、昇龍会をここまで大きくした先々代を破門するなど言語道断と、猛反対しているみたいだった。 先々代が問題を起こす度、尻拭いさせられるのは決まって笹原さんと千里さんだ。 「宮間さん、お父さんが迎えに来てくれるのををずっとずっと待っていた。見付けてくれるって信じてずっと待っていたのに……なんか、かわいそう」

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