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番外編 シェドという謎の男
眼鏡は掛けていないど、肩甲骨までのストレートの黒髪。外見は決して派手でなく服装もメイクもシンプルでナチュラルで。小柄で細身。
耳の下には小さな痣らしきものが確認できた。
「遥琉さん、この女性」
「未知も気付いたか」
「知っている女か?」
裕貴さんの顔色が変わった。
「楮山の元イロで、古狸のイロだった女だ。古狸は与党の議員、名前はえっと……悪い、度忘れしたみたいだ。ソイツに化けていたんだが、楮山らに消されたあと、女も姿を見せなくなった」
「そうなんだ」
裕貴さんが画面を見つめた。
「地竜がスポンサーを募り来日していたとき、色仕掛けで近付き寝首を取ろうとしていた女だ。生憎、地竜は未知以外の女と男に一切興味がない」
光希さんが補足説明してくれた。
「相変わらず真面目な男だな」
「玲士、話しの続きを聞かせてくれ」
彼が玲士さんに視線を向けた。
「はい。女性の名前は向井夢華 。プロフィールにはシングルマザーで3人の子どもを育てている。ネット関連の仕事を起業し、スピュアルに出会い、年収がアップしたと書かれてありますが、調べたらそんな事実はなし。でたらめでした。たまたま私が仕事で担当していた地区に昔住んでいたと書かれてあって、もし会っていれば顔くらい覚えています」
胸を張り断言した玲士さんに、亜優さん見惚れていた。
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