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番外編ゴメンね
「明日の朝、度会さんの家と組事務所にマトリとソタイがガザ入れに来る。子どもたちが登校してからだといいんだが。子どもたちにこれ以上怖い想いをさせる訳にはいかない。トラウマになっちまったら可哀想だ」
「遥琉さん、幸ちゃんは?」
すがるように彼の腕を掴んだ。
「鞠家とハチが明日の朝5時にここに連れてくる手筈になってる。寝ている幸を起こすのはちいと可哀想だが、しょうがない」
「だって幸ちゃんにも怖い想いをさせる訳にはいかないもの。子どもはみんなの宝物。うちの子も他所の子も関係ない。みんなで守ってあげなきゃ」
「そうだな」
不安を一掃するかのようににっこりと微笑んでくれた。
「ママ、まだねないの?」
目を擦りながら奏音くんがふらふらと覚束ない足取りで居間に入ってきた。
「ママ」
続いてうさぎのぬいぐるみを脇に抱えた遥香も姿を現した。
「なんだふたりとも目が覚めたのか?」
「ふたりだけじゃないぞ遥琉」
裕貴さんが遥香のあとをハイハイで追い掛けてきた太惺と心望に気付き、ぷぷっと吹き出した。
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