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番外編 羽鳥湖で事件勃発

「なんでこんな時に電話が来るのよ~~やぁ、もぅ。届かない~~」 幸ちゃんを片手でしっかりと支え、手を伸ばしバックを取ろうとしたけどあと数センチ足りなかった。 「未知、悪いんだけどスマホを取ってくれない?」 「はい、ちょっと待ってください」 チカちゃんに頼まれバックの中からスマホを取り出し渡した。 「チカちゃん、このバック可愛い」 那和さんが歓声を上げた。 「でしょう。これねダーリンからの誕プレなのよ。去年プレゼントされたの。レザーだから、濡れても拭けば大丈夫だし、丁寧に作られているから傷が付きにくいし、収納力も抜群なの。グレーにベージュを足したような落ち着いた色が素敵でしょう。バーバにおねだりしたら?」 「あ、それいいかも!」 パチンと那和さんが両手を叩いた。 チカちゃん電話に出なくて大丈夫なのかな? 「ふたりのレディとデート中だから電話にすぐには出れないって仲間に伝えてあるの。だから、ほら、すぐメールで寄越したわ」 チカちゃんが画面に目を落とした。 「ん?羽鳥湖?」 怪訝そうに呟くと、 「ねぇゆずちゃん、橘、羽鳥湖って聞いたことある?猪苗代湖なら知ってるんだけど」 台所に立つ二人に声を掛けた。

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