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番外編 哀しきひと

「俺こう見えても昔、青蛇のアンダーボスだったんだよ。いざとなれば素手でも戦える。俺は弟たちと妹と橘さんを守る。だから、高行さんはバーバと組を守る。いつも高行さんとバーバに守られてばかりいるから。橘さんと柚原さんにも守られてばかりいるから。俺に任せて」 「紗智がそう言うんだったら」 紗智さんは一度こうすると決めたらどんなに困難なことでも最後までやり抜く。だから止めても無駄。そのことを鞠家さんが一番よく分かっているからそれ以上はなにも言えなかったみたい。 「弓削とフーは青空の警備を、ハチとウーは未知の警備を、俺とヤスで一太と奏音の警備をする。留守担当は橘と鞠家」 電話でてきぱきと指示をする彼。 「森崎らがこっちに向かっている。ヤス、極力目立たないように移動しなきゃならない。壱と弓削とハチとよく相談してくれ。悪いが頼む」 明日、ナオさんも病院に検査を受けに行かなきゃならないみたいで、みんな同時に移動することになってしまった。 お祖父ちゃんと根岸さんたちは本部にいるからすぐには動けない。だから、鷲崎さんが急遽助っ人として森崎さんを寄越してくれた。

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