【青空変身完了】というタイトルのメールが信孝さんから彼のスマホに送信されてきた。添付されてあった写真にはおくるみに包まれたももちゃんを大事そうに抱っこする、小花柄模様のワンピースを着た青空さんが写っていた。右手首にはちゃんと包帯が巻かれてあって腕輪も身に付けていた。 「マスクをつければ姐さんにしか見えない。信孝の言う通りだ」 「もしかしてこれ全部買ったの？」 「茉弓や、茉弓のママ友たちから着なくなった服を譲り受けたんだ。少しは経費削減しないとそのうちりんりんの頭に角が生えるからな」 「りんりん？」 誰のことだろうと首を傾げたら、 「俺もはじめて知ったんだが鳥飼の下の名前、莉音《りお》っていうみたいだ。ヤクザなのに女みたいな名前、カッコよくねぇって今の今までひた隠しにして封印していたみたいだが、奈梛に名前を何度も聞かれて封印を解いたみたいだ。フーが鳥《ニィァォ》より、リオの方が可愛いって連呼して、それでりんりんと呼ぶようになったんだ」