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番外編 兄ちゃんhelp!
「あやみの意識はまだ戻らねぇ。依然として意識不明の重体のままだ。病院の中、あっちもこっちもお巡りさんばっかであやまった」
斉木先生がウーさんに会いに組事務所に寄ってくれた。
あやみさんは斉木先生が勤務するN総合病院の集中治療室に入院している。
「息子に会いに外来から小児病棟に行くのがこれまた大変なんだ。いちいちボディーチェックされんだ。ウーに触られるんのは大歓迎なんだが」
斉木先生がやれやれとため息をついていた。
「弓削のしゃでは?」
「まだ到着してません」
「苦味走ったなかなかいいあんちゃんだって聞いたぞ」
「はい。森崎がぞっこん惚れてます」
「森崎?」
「鷲崎の右腕の男です。顔を見たら思い出しますよ」
「名前と顔がいまだに一致しねぇんだ。あやまったな」
「うちも鷲崎も大所帯です。そう簡単には覚えきれないですよ」
「うだな」
彼と斉木先生が他愛もない話しているとウーさんじゃなくて、フーさんが姿を見せた。
「りんりん」
「りんりん?」
首を傾げる斉木先生に彼が小声で鳥飼のことだと教えた。
「旦那とめんごいややこが待ってんだ。家さ帰れって言っても言うこと聞かねぇんだ。あやみの側から離れようとしない。あやみも睦同様九鬼の家から無理矢理連れ出せば良かったんだ。悪かって、謝ってばっかだ。にしゃは悪くねぇって励ましてる」
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