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番外編彼にも隠し事はできない

「僕の遥琉さんなのに、陽葵ばっかズルいって、陽葵に焼きもちを妬いてるだろう」 「ううん」 なんでそんなことを聞くのかなと、不思議に思いながらも首を横に振ると、 「こういう場合、そうだって答えるもんだぞ。未知に焼きもちを妬いて欲しかったのにな」 がっくりと肩を落とした。 それならそうと早く言って欲しかったのに。慌てて謝った。 「たいくん、ここちゃん、パパとママ、なかよしこよししてるから、じゃましちゃだめだよ」 「たいくんはふくをきようね」 ドアの向こう側から一太と遥香の声が聞こえてきた。 「バンバンしたら、ひまちゃんおきちゃうよ」 「たいくん、おとうとがほしいならじゃましないの。ひまちゃんねんねしているときしかパパとママとなかよしこよしできないんだよ。わかった?」 まさか遥香の口からそんな言葉が出るなんて思いもしなかったから驚いた。 もしかして、さっきの声、子どもたちに聞かれちゃったかも。何となく決まりが悪くて、顔を赤らめ俯いた。 「ゆでたこみたくなってるぞ。今さら恥ずかしがってどうする」 「だって……」 もじもじすると、 「そんなふうにされたら煽っているとしか思えないぞ。きみのその天然なところが最高に可愛い。ますます好きになった」 赤くなっている頬っぺにチュッと軽くキスをされ、顔から火が出そうになった。

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