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番外編 狙いは僕と子どもたち

「あれ、この男……」 蜂谷さんも何かに気付いた。 「チカちゃん?」 「全国に指名手配されている男がいる」 年は宋さんと同じくらい。目付きの鋭い長身の男性をチカちゃんが指差した。 「本名生年月日一切不明。仲間内ではロンと呼ばれていたの。いい隠れ場所を見付けたわね。どうりで見付からない訳よ」 「青空、知っている男か?」 「生憎、尊とハチ以外の男に興味はない。俺に聞くより宋と覃に聞いたほうが早い」 青空さんが急に不機嫌になり、蜂谷さんの膝を枕代わりにして、ごろんと横になった。 「嫌いな男……そういうことか」 「分かるならいちいち聞くな」 青空さんがグリグリと蜂谷さんのお腹に顔を擦り付けた。 「止めろ、くすぐったいだろう」 「ハチは俺のだってマーキングだ」 「たく、お前は相変わらず子供なんだから……好きにしろ」 「好きにする」 至福のひとときを満喫する青空さん。蜂谷さんは優しく微笑むと、青空さんの髪をぽんぽんと撫でた。 「あの二人、絶対に怪しい。未知もそう思うでしょう?」 チカちゃんが疑いの目を向けた。

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