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番外編 朝からドキドキの連続
ー未知は相変わらず人気者ねー
「むさ苦しい男所帯のいわば清涼剤みたいなものだからな」
ーハルくん、焼きもち妬ききれないでしょうー
「分かっているならいちいち言うな」
ーそんなことよりも橘から聞いたわよー
彼がギクッとした。
ー未知に伝えておいて。可愛い系のキャミソールと、スケスケのシースルーの紐パン、た~~くさん送ったよってー
「マジか」
彼の声が裏返った。
ーハルくんが喜んでどーするのよー
「毎日可愛い下着姿の未知を拝めるんだぞ。これほど嬉しいことだろう」
ーあの、ちょっといいー
「なんだ」
ーアタシにはただのエロ親父にしか思えないんですけど。未知はただでさえ恥ずかしがり屋なのよ。くれぐれも嫌われないようにねー
「未知が俺のことを嫌うわけないだろう」
ーあらま、ずいぶんと自信満々ねー
「こんなことを言うためにわざわざ電話を寄越したのか?子どもたちを迎えに行く時間なんだ。切るぞ。暇人に付き合っているほど俺は暇じゃないんだ」
電話を切ろうとした彼。
ーちょっと待った!電話を切ったら一生恨むからねー
チカちゃんの甲高い声に、彼が思わずスマホを耳から離し耳を押さえた。
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