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番外編【出禁】とはなんだ?

「たいくん、ここちゃん、ぱぱたんとハチさん、かっこいいね」 弾けるような笑顔でキャキャと笑い声を上げる太惺と心望。 一太も奏音くんも満面の笑みを浮かべ、光輝く目を向けた。 「普段、カミさんの尻に敷かれているとはとうてい思えないがな」 彼に皮肉を言われても柚原さんはさほど気にする素振りを見せなかった。 「エプロンとしゃもじが似合う殺し屋がいるなんて聞いたことないぞ」 「正確には、元殺し屋だ。とうの昔に足は洗っている。今はただの専業主夫だよ」 エプロンのポケットにしゃもじをしまうと、コアラのように足に抱きつく心望を笑顔で抱き上げてくれた。 「たんさん、これ」 にこにこしながら一太と奏音くんが覃さんに紙を渡した。 そこには彼の字ででかでかと【出禁】の二文字が書かれてあった。 「出禁とはなんだ?」 「出入り禁止のことだ」 「だから出禁か。なるほどな。ちょっと待てよ。卯月、それだけはどうか勘弁だ。この通り謝る。許してくれ。ほんの出来心でつい触ってしまったんだ。ボスを虜にする秘密が尻にあるような気がしたんだ」 「は?」 真面目な顔で突拍子もないことを言い出しから、さすがの彼も返す言葉が見つからなかった。

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