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番外編 お芝居……だったの?

「未知のにしては妙に派手だと思ったんだよ。ほら」 地竜さんがお姉ちゃんに下着を渡した。 「やけに素直じゃないの。さては何か企んでいるわね」 「企んでいない。この通り腰が痛くて動けない」 「地竜、そろそろ猿芝居は辞めたら?あれくらいでぎっくり腰になる訳ないじゃん。あなたなら一日寝てればだいぶ良くなるはずよ」 「さすがは千里。名前の通り、何でもお見通しだな」 地竜さんが参りましたとばかりに大きなため息をついた。 「あと二日未知に甘えられると思ったのに。残念だ」 よっこらしょと上体を起こした。 「卯月、覃、千里作戦会議だ」 前髪を掻きあげる姿がゾクリとするくらいなぜか色っぽく見えて、ドキドキしてしまった。彼にバレないようにと、平静を装うとしたけど、 「バレバレだ」 彼に苦笑いをされ、おでこに彼のおでこがくっついてきた。そのまま瞳を覗き込まれ、体温が一気に上がり全身朱色に染まった。 「相変わらずラブラブね。仲がいいのは分かるからあんまり見せつけないで欲しいな。遥琉お兄ちゃん、未知がゆでたこみたくなってるわよ」 お姉ちゃんに笑われてしまった。地竜さんはむすっとしていた。

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