3007 / 3590

番外編オンライン会議

「じじ」と「じー」を連呼する太惺と心望。じじじゃなくて、じーじゃなくて本当は鷲崎さんなんだけど。額から冷や汗が出てきた。 ー昇龍会一ゴンタで手のつけられない暴れん坊だったのに変われば変わるものだなー 感慨深そうに秦さんが呟いた。 橘さんと紗智さんの腕のなかから脱走した太惺と心望は彼の膝の上をめがけて競うようにあんよしていった。 膝の上によじ登りパソコンのモニターをじっと見る二人。 ー太惺も心望も見ないうちに大きくなったな。あんよが上手になったと聞いたぞ。二人してこのおっさん誰って顔だな。会わないんだ。そりぁ忘れちゃうよな。ママのじぃじだよ。ひろおじちゃんと青空のパパさんだぞー ちょっとだけ寂しそうだった。 太惺と心望を一目見たさにモニターの取り合いをはじめる秦さんと鷲崎さん。こればかりは譲れない。 ーちょっとそこの二人。なにやってんのよ。いつまでも会合がはじまんないわよー ため息まじりのお姉ちゃんの声が聞こえてきた。 ーもぅ、しょうがないわね。三十分間休憩ー お姉ちゃんの声に驚いたように目をまんまるくし、キョロキョロとあたりを見回す二人。ねぇパパ、千ちゃんいないよ、とでも言ってるのかな?彼の顔を見上げ、キョトンとしていた。

ともだちにシェアしよう!