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番外編オンライン会議
オンラインで会合がはじまる時間になり、太惺と心望を広間に近付けさせないように録画しておいたアニメや幼児番組を見せたり、おもちゃで気を引こうと頑張ったけど、大好きなパパが急にいなくなって不安になった二人はギャン泣き。泣きながらパパを探しはじめた。
「パパお仕事だから終わるまでママと待っていようね」
下唇をこれでもかと伸ばす二人。ブーブーと唇を鳴らした。
「寝て起きたらいつも側にいる七海さんがいなくて、裕貴さんと心さんと優真くんの姿も見当たらない。その上パパも急にいなくなって、混乱し、このままパパまでいなくならないかすごく不安になったんでしょうね」
「おいで」
橘さんが太惺を、紗智さんが心望を抱き上げてくれて、背中や、お尻をぽんぽんと優しく撫でながらあやしてくれた。
広間を素通りし部屋に戻るつもりが、
ーたいくんとここちゃんのあんよめっけー
鷲崎さんの声が聞こえてきたものだから、二人はびっくりしたように目を丸めぴたりと泣き止んだ。
「視力がいいことをすっかり忘れていました。なんで見付けるんですか?収拾がつかなくなるのに……」
怨み節を口にする橘さん。
ーだって見付けたもんはしょうがないだろ?ー
二人は鷲崎さんのところに行きたくて、橘さんと紗智さんの腕のなかで手足をバタつかせ大暴れしていた。
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