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番外編俺の子

「椎根も妙な動きをしている。鉄将親子に危害を加えるかも知れないな」 彼がそんな話しをしていたら、 「兄貴大変です!」 病院に残りひそかに義夫さんを監視していた森崎さんが慌てて駆け込んできた。 ー久し振りだな森崎ー 「オヤジ」背筋をぴんと伸ばし九の字に腰を曲げる森崎さん。 「どうしたそんなに慌てて。もしかして義夫が拉致されたか?」 当てずっぽうで言ったつもりだったけど、 「煙のように消えました」 そのまさかだった。 ー弓削に面会したときに白雪夫妻の娘について聞いた。親元を離れ東京で一人暮らしをして美容室で働いていた。バス停でバスが来るのを待っている姿を友人に目撃されたのを最後に消息を絶った。弓削がそのことを知り探そうとしたが、義夫はあの通り俺らヤクザを毛嫌いしているからな。ほっといてくれの一点張りで、話にならなかったそうだ。あれから十七年、生きていれば四十七歳になっている。弓削はヤスに焼もちを妬かれながらも今も探し続けている。遥琉兄貴、オヤジの命令は絶対だ。弓削とヤスにいい加減一緒になれと言ったらどうなんだ?両想いのはずなのに二人はすれ違ってばかりいるー

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