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番外編人を引き寄せる不思議なちから
「達治何やってんだ!挨拶くらいしろ!」
慌ててすっ飛んできたのはコウジさんだった。
「無理強いするな。ほっとけ」
「いや、そういうわけには」
「そのうち気が変わる」
彼は覃さんがいることに気付いていた。
「未知、陽葵が呼んでないか?」
「陽葵?泣き声はしないけど……」
「避難したほうが身のためだぞ。暑苦しいのがもう一人来る前にな」
「玲士さんか与志之さんのこと?」
「あぁ、そうだ」
彼に言われ寝室に戻ろうとしたら、オヤジ根岸さんが慌てた様子で戻ってきた。
「ずいぶんと早いな。伊澤は?」
「蜂谷たちと一緒にいる。オヤジこれを見てくれ」
根岸さんが安川さんと吉田さんから借りてきた写真を彼に見せた。
「右から三番目が白雪夫婦の娘だ。誰かに似てないか?」
「女の姿をしているときの誉に似てるな。それとこの女どっかで見たことがある」
彼がスマホで何かを調べはじめた。
「地竜から、教団本部で信者から妈咪《 マーミィ》と呼ばれている五十歳前後の女がいると聞いたことがあるんだ。シェドの後宮を取り仕切っているらしい。当局にマークされている」
「亡くなった度会さんのお兄さんのことや、行方不明になっている甥っ子さんの行方について知っているかもしれない、ということだよね?」
「まぁ、そうなるな」
ふと顔を上げたら度会さんが目の前にいたからびっくりした。いつからいたんだろう。気配を感じなかったから全く気付かなかった。
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