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番外編本部からの緊急召集

ー俺と光希が一緒にいるときの、龍の行動が玲士とまったくおなじなんだよ。口を咥えて瞬きもせずにじっと見ているんだー 「りょうお兄ちゃん、あの……」 スマホをぎゅっと握りしめた。 彼から連絡が一切ない。連絡がないということはすなわち無事だということ。 ー兄貴は本部の若頭でもあるからな。会長から召集がかかればどんな状況でも行くしかない。兄貴は千里たちと一緒にいるから大丈夫だ。蒼生と裕貴は兄貴の取り合いをして朝っぱらから喧嘩だ。朝の4時に叩き起こされるこっちの身にもなって欲しいー 「元気ならそれでいいんです。りょうお兄ちゃん忙しいのに電話に出ていただきありがとうございます」 ー別に俺は忙しくない。暇人だ。未知、写真を送った。紫竜の関係者とされる人物は東南アジアからのチャーター便で訪日した団体客のなかにいる。覃と宋がまだそっちにいるなら見覚えのある人物がいないか聞いて欲しいー 「頼まれてやってもいいがタダという訳にはいかないぞ」 覃さんの声が背後から聞こえてきたからびっくりした。一瞬心臓が止まるかと思った。 「気が短く気性が荒い。自分が一番で、足の引っ張りあいばかり。仲間同士協力するということを知らない。しかも頭にくるとすぐに怒りが沸点に達する。さっそく小競り合いの喧嘩をはじめた。国井も甲崎も駆り出されて大変だな」 ー呑気にそっちにいて大丈夫なのか?ー 「俺らは後方支援部隊だ」 ー相変わらず適当な男だなー 「それを言うならマイペースといって欲しい。写真はどこだ?」 僕の手からスマホをすっと持ち上げる覃さん。 ーまだ送ってない。ちょっと待ってろー 「嘘つきはな……」 ー嘘はついていない。お前が割り込んできたからだろ?ー 「人のせいにするのか?」 覃さんが相手だとりょうお兄ちゃんも調子が狂うみたいで、まるで漫才みたいなやり取りにふきだしそうになった。

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