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番外編40年前に起きた未解決事件
「世話になっている根岸さんと伊澤さんと一緒に式を挙げる。十月の予定だ。まだまだ教えてもらいたいことが山のようにあるのに。俺も亜優も寂しい。でも寂しいと言ったら二人に迷惑を掛けてさしまう。暗やみのなかを生きていたウーと亜優にとって、根岸さんと伊澤さんは人生を明るく照らす灯台みたいなそんな存在なのかもしれない。オヤジと姐さんは大事な家族。話しが尽きないようだ」
にこにこして嬉しそうに話すウーさんと亜優さん。溢れんばかりの笑顔に、
「良かった。二人ともどこかぎこちなくて。遠慮してて。近くにいるのに遠くにいるような、そんな感じがしていたんです。言葉が通じないから余計にそう感じるのかも知れないけど、二人が日本での暮らしに慣れてきたってことですよね?」
「大好きなマーと伴侶がそばにいる幸せは何事にも変えがたい」
ウーさんと亜優さんが振り返り「マー、我非常喜欢你 」手を振ってくれた。
「姐さんが大好きだと言ってる」
「二人は僕と遥琉さんにとって自慢の息子だよ」
伝わるかどうか分からないけど感謝の思いを込めて、僕も笑顔で手を振った。
「未知、その台詞うちのボスにも頼む。ほぼ100パーセント泣いて喜ぶ。今よりもっとやる気になるかもしれん」
「死神のボスは孤高の獅子とは名ばかり。爪も研がず妻の膝の上で寝てばかりいる腑抜け。当たっているから何も言い返すことが出来ない。未知、俺らもきみの息子になりたい」
「あ?」フーさんの眉が吊りがった。
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