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番外編40年前に起きた未解決事件

「冗談だ。怒るな」 「なんだかんだ言ってお前も未知が好きなんだな」 図星だったみたいでフーさんが顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。 覃さんと宋さんが笑いながらふと空を見上げた。 「雲行きが怪しいな。柚原、四十年前の事件について教えてくれないか?」 「あぁ、構わんが。俺より元デカだった会長のほうが詳しいぞ。将棋の相手を探していたから、まだ時間があるなら度会さんの相手をしてやってくれないか?」 「手取り足取り教えてもらうのも悪くないな」 顎に手をおきふふっと微笑む覃さん。 「覃」 「ん?なんだ?」 「いや、何でもない」 柚原さんが首を横に振った。寒気がするんだ、とは口が裂けてもどうしても言えなかったみたいだった。 やけに静かでそっと覗くと度会さんと覃さんと宋さんが将棋盤を囲み真剣勝負の真っ最中だった。 将棋を指すのではなくなぜか将棋崩しをしていた。 音を立てないように盤の外まで駒を運ぶことが出来たらその駒を獲得出きる。カチッとかコトッとか音が鳴ったらアウト。といういたってシンプルだけど意外と奥が深い。一太たちも度会さんと将棋崩しをして遊んでいる。 かなり慎重に駒を運ぶ覃さんと宋さん。目は真剣そのもの。普段とはまるで違う。別人のようだった。 「よし!」 小さくガッツポーズをしたのは宋さんだった。 「3戦3勝だ。俺の勝ちだ」 「初めてなのに強いな。恐れ入った」 潔く負けを認める度会さん。 そのあとはすっかりぬるくなってしまったお茶を啜りながら、四十年前にあった事件をポツリポツリと話し始めた。

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