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番外編40年前の未解決事件
「本当にデカだったんだな。驚いた」
「宋、失礼だぞ」
「会う人みなにそう言われる。卯月だってヤクザになりたくてなった訳じゃない。愛する家族と大切な仲間を守るためにはヤクザになるしか選択肢がなかっただけだ」
度会さんの言葉にじっくりと耳を傾ける二人。性癖は置いといて、見た目と違い二人とも根はとても勤勉で真面目な性格なのかも知れない。
「君らも守りたいものがあるだろ?」
「あぁ、勿論だ。1にジョー、2に未知、3に子どもたち、4に千里だ」
「俺は1にワカ、2に未知、3に子どもたち、4に心友だ」
「覃、宋、一人大事な人が抜けているような。気のせいか?」
「俺らが守らなくて自分の身は自分で守れる。心配するだけ無駄だ」
「そうだ。骨折り損のくたびれもうけだ。一応医者の端くれなんだ。怪我をしても自分で治せる」
「でもこれだけははっきりと言える。ボスの家族は俺にとって家族も同然。だからこの命に代えても守るのが使命だ」
覃さんが胸を張って堂々と答えた。
「譲治がここにいたら間違いなく惚れ直すぞ」
「蟻とそこら辺を飛んでいる虫がライバルだ。譲治はそっちばかりで、俺を見てくれない」
「そうか、それは大変だな」
とんちんかんな受け答えにさすがの度会さんもどう答えていいか分からず、苦笑いを浮かべていた。
ちょうどその時だった。
招かざる客が福島へ向かった。という第一報が本部から飛び込んできたのは。
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