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番外編スペシャルサプライズ

「俺らが止めても無駄ですからね。ねえさんから直々に声を掛けてもらっておやっさんも嬉しかったと思いますよ」 「鞠家さんあの……」 声を掛けようとしたら、 「鞠家さん、未知さん、おはようございます。玲士に会いに来ました」 コウジさんが上着を肩に担いで颯爽と姿を現した。 「なかなか顔を見せないからてっきり二日酔いで寝込んでいるのかと思ったぞ」 「寝込んでいるのは玲士のほうです。二日酔いはあまりしないので」 「そうか。小学生組は全員登校していったから派手に驚かせていいぞ」 「小さい子たちは?」 「朝御飯を食べているから心配するな。ひまちゃんはばっちだからちょっとやそっとでは起きない」 「では心置きなく起こしてきます」 コウジさんが鼻歌を口ずさみながらルンルン気分で玲士さんを起こしに行った。 吉田さんの行動は全国に散らばっている関連竜虎会の元メンバーたちにより逐一コウジさんのところに連絡が入っているみたいだった。吉田さんが潜入捜査していた関西から福島に向かっていることはすぐに掴めたけれどなんのために向かっているかが分からなくて。吉田さんを泳がせているあいだに優輝くんが狙われた。大失態を犯したコウジさんをりょうお兄ちゃんも龍成さんも決して責めなかった。 「玲士だけでなくコウジまで失ったら若いのが言うことを聞かなくなる。闇バイトなどで手っ取り早く金を稼ぐことが出きる今どきの若者には暴力団、なかでも統制の厳しい昇竜会で世渡りしていくのは大変だからな」 些細な揉め事でもやがて大きな火種になりかねない。鞠家さんはそれを心配していた。

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