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番外編ありがとうな、
「どうした?」
「遥琉さんはこのことを知っているんですか?」
「知らない。寝耳に水で驚いているんじゃないかな。未知、何か心配事でもあるのか?」
「お義父さんと喧嘩をしていないか、それが心配で……」
「縣一家で一泊するなら時間が許すまで腹を割って話し合ういいチャンスかも知れないが、卯月は最終の新幹線で福島に帰って来る。残念だったな、二人きりになれなくて」
あおお兄ちゃんが地竜さんの肩をぽんと軽く叩いた。
「それは、あくまで予定だろ?」
地竜さんがにやりと笑った。
しばらくして彼から電話が来た。
―本人は帰らない、未知に会わせる顔がないの一点張りでな、根岸がこれじゃあ埒が明かないから、俺が弓削を連れて帰ることになった。本当は最終の新幹線で帰る予定だったんだか、ごめんな未知。明日の始発で帰る―
「遥琉さん、聞いたかも知れないけど蒼生さんと地竜さんがいるの」
―さっき、二人と喋った。未知に指一本でも触れてみろ。ただじゃおかねぇぞと脅しておいた―
「ねぇ、遥琉さん、お義父さんと会った?」
―あぁ。挨拶はした。親父と喧嘩をしたら未知に心配を掛けるだけだろ?それは親父も同じだ。だから心配すんな―
電話の向こうからオギャア、オギャアと赤ちゃんの泣き声が聞こえてきた。
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