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番外編ありがとうな、
「幸のことをお願いしますって千里お姉ちゃんに伝えて下さい」
ーその声はめぐみか?さっきの話しを聞いていたな。ごめんな。幸に悲しい思いをさせてしまってー
「ううん。はるせんせー達が私たちを守ろうとしてくれる。幸はまだ小さいから分からないけれど、私と優輝は分かっているから。私と優輝が分かっていればいいの。ありがとうはるせんせ―」
めぐみちゃんが身を乗り出して彼に感謝の言葉を述べると、ただでさえ涙もろいんだから泣かせんじゃねぇよ。と照れ笑いをしていた。
「宋さんも一緒なんですよね?」
―青空としてテレビや雑誌の取材に応じている。たいしたもんだ。さすがは死神のナンバー2だ―
そのとき四つん這いの姿勢で抜き足指し足忍び足で僕の膝に近付く影があった。といっても一人しかいないんだけど。
めぐみちゃんがぷぷっと笑いながら何してるの?と聞くと、し―と唇に人差し指を立てた。
―地竜、止めとけ。どうせすぐに見つかる―
彼がくくくと笑いだした。
「だってさぁ月が綺麗なんだぞ」
―未知の膝の上で見る月は格別だってだろ?―
「そうだよ。いいだろう」
自慢気に話していると、
―ちょっと地竜。アタシの妹に手を出したらただじゃおかないからね!聞いてるなら返事くらいしないよ!―
お姉ちゃんの甲高い声が聞こえてきたものだから、地竜さんが耳を手で塞ぎ、顔をしかめていた。
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