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番外編恋の吊り橋作戦

「俺らも行きます。兄貴に何かあったんではヤスさんにぶっ殺されます」 「玲士だけでは心配です」 「俺たちも連れていってください。玲士よりは役に立ちます」 「あやまったな。おめさんらにめっかる前に出掛ければ良かったな」 弓削さんが困ったように苦笑いをしながら髪をくしゃくしゃと掻いた。 「いいか、玲士と仲良くしっせよ。喧嘩は駄目だぞ。約束を守るなら付いてきてもいいぞ」 我先と競うようにぞろぞろと弓削さんのあとをついていく舎弟たち。新入りの玲士さんはびくびくしながらも一番最後、みんなのあとについていった。 あおお兄ちゃんと地竜さんか喧嘩をしないようにするにはどうしたらいいか、 彼に焼きもちを妬かれないようにするにはどうしたらいいか、悩みに悩んだ末、覃さんと宋さんに練習をさせてくださいと頼んだ。 「俺は構わんぞ」 「俺が手取り足取り、じっくりと教えてやる」 「宋、よだれ」 「だって目の前に旨そうな未知がいるんだぞ」 「未知は食い物じゃない。ワカに言い付けるぞ」「別に構わんぞ。そうと決まればカミソリだな」 ふふんと愉しそうに鼻唄を口ずさむ宋さん。 「覃さん、もしかして宋さんって刃物を持つと人格が変わるタイプですか?」 「なんだ、今頃知ったか。てっきり知っているものだと思っていたぞ。まぁな、俺も人のことは言えないがな。いつ練習する?俺はいつでもいいぞ」 「今でもいいですか?ちょうど陽葵が寝ているので」 「分かった。ひと思いに剃ってくれ」 縁側に移動し、胡座をかいて座る覃さん。

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