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番外編恋の吊り橋作戦
「弓削さん待ってください」
玲士さんが慌てて駆けてきた。
「置いていかねぇからゆっくり来い。転んだりしたら危ねぇだろう。ナオみたく足に怪我すっぺ」
「なんか嬉しいです。俺なんかでいいんですか?」
「何事も経験だ。俺は暇人だから気にしっさんな」
弓削さんは後輩をとても可愛がる。新入りにガミガミ口で言ったって分かる訳ねぇべした。俺が面倒みっから。そう言って今まで多くの舎弟たちを親代わりとしてときには厳しく、一人前に育ててきた。だからみんな弓削さんを兄のように慕っている。新入りの玲士さんにとっては雲の上の存在である弓削さんから直々に声が掛かったんだもの。嬉しさ半分、緊張半分、だと思う。
ヤスさんが焼きもちを妬いて暴走しないかそれだけが心配だった。
「ねえさん、約束を忘れてませんよね?」
「髭を剃ることですよね?忘れてません。練習して待ってます」
何の気なしに言ったつもりだったけど、弓削さんの顔色がみるみるうちに変わった。
「ねえさん、誰を練習に使うつもりですか?オヤジに半殺しにされますよ、ソイツ」
「えっと、その……蒼生さんに頼もうかなと……」
「蒼生に頼んだら地竜が焼きもちを妬く」
「そうですよね。誰に頼むかはちゃんと考えます」
「それがいい。のちのち面倒だ」
「兄貴~~!」
弓削さんの姿を見付けるなり舎弟たちが何人も走ってきた。
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