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番外編宋さんのお友だち
「だってねぇ未知さん」
「はい」相槌を打った。
「こう見えても焼きもちは妬いてますよ」
「え!?そうなの。嘘、信じらんない」
チカちゃんが驚いたような声を上げた。橘さんに睨まれ、しまったと慌てて口元を手で覆った。
「一ついいことを教えてあげます。未知さんが焼きもちを妬けば妬くほど遥琉という人は快感を得るんですよ。未知さんをわざと困らせたり、意地悪したり、無理難題を言ったり、一太くんより手のかかる我が儘なデカイお子様になるんです。ますますつけあがらせるだけですからね遥琉というお子様を。未知さんは遥琉より年下ですが、遥琉より大人なので焼きもちを妬かないフリをしているんですよ」
「手のひらでうまい具合に転がしているんだ」
「転がしているのは未知さんより私のほうかもしれません」
「やっぱり橘は最強だね。ハルくん今も橘にだけは頭が上がらないもんね。ビクビクしているもんね。ハルくん、橘に名前を連呼されて、今ごろくしゃみが止まらないかもね」
クスクスとチカちゃんが笑った。
「チカさん、話しは変わりますが、遥琉の偽者がいるということはご存知です?」
「えぇ。ダ―リンから聞いたわ。ハルくんとは似ても似つかない縦にも横にも大きい男なんでしょう?ハルくんの名前を騙るなんてよっぽど命が惜しくないのね、その人。いい度胸をしてるわ。ハルくんラブの男たちがそこら辺にうようよいるのよ。ハルくんフェチのヤバイ人も。ハルくんのことになればみんな目の色が変わるのよ。怖いったらありゃしない」
「そうですね」
笑いをこらえきれずに橘さんが吹き出した。
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