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番外編宋さんのお友だち
「銃弾が飛び交うなか、怪我をした他の警察官には一切見向きもせずその人はダ―リンだけを助けてくれたと聞いた。宋とハルくんのお陰ね。また二人に助けられたわ」
「チカさんと国井さんは宋さんとの約束を守りその存在を公にせず、決して口外しないでいてくれます。それが宋さんには嬉しいみたいですよ」
「だって宋も覃も大切な友だちだもの」
「そうですね」
そこへおはよーと遥香が起きてきた。
「あ、チカちゃんだ。もうびっくりしちゃった」
眠そうに目を擦っていたのに。チカちゃんを一目見るなり一瞬で眠気が飛んだみたいだった。
「ハルちゃんおはよう。早いわね」
えへへと照れて真っ赤になる遥香。愛くるしい仕草にほっこりする。自然と笑みがこぼれる。
「未知さんどうしました?顔色が悪いですよ」
橘さんに心配そうに顔を覗き込まれた。
「大丈夫です。体調は悪くないです。ただ、怖いなって、そう思っただけで……」
「りんりんさんのことですか?」
「はい。命令に忠実なのはいいことかも知れないけれど、りんりんさん見ていたんですよね?目の前で撃たれる警察官たちを。救急車を呼んでくれ、まだ死にたくない。助けを求める声に一切耳を貸さず、撃たれて血を流す他の警察官たちを助けようともせず、無表情で国井さんだけを助け出したと聞きました。よく国井さんだと分かりましたよね?初対面だったんですよね?あの状況で他にも大勢警察官がいたのになぜすぐに分かったんでしょうか?」
「私も怖いと感じましたよ。血が通った人間なら助けを求める警察官たちや居合わせた観光客をそうそう見捨てることはしませんからね。にも関わらず一瞥もくれずあっさりと見捨てた。もしかして変態というのは回りの目を欺く仮の姿でシェドより冷酷で残忍な人かもしれませんよ」
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