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番外編宋さんのお友だち
「どうしよう。このままだと遥琉さんが危ない」
「遥琉にもしものことがあった場合、一番困るのは地竜さんですよ。未知さんや子どもたちと二度と会えなくなりますからね。ここにも帰ってこれなくなります。手下の躾くらいはちゃんとしていますよ。多分ですけど」
不安な気持ちを一蹴するように、橘さんがにっこりと微笑みかけてくれた。
「その時はオヤジの盾になるよ」
「弓削兄貴一人を盾にさせるわけにはいきません。盾になるなら俺も」
「俺も」
弓削さんが手をあげると、一緒にいたヤスさんと佐治さんとミツオさんが同時に手をあげた。
「カシラとハチと玲士たちがオヤジの警護をしているからそっちは心配はない。ただ、オヤジ不在のこっちが心配だ。人の配置をもういっぺん確認してくる」
弓削さんが立ち上がると、ヤスさんたちも一緒に立ち上がる。チ―ム弓削の団結力はすごいと話していた彼の言葉を思い出した。
「ヤス、弓削、俺にねっぱって歩くのはいいが、俺はもう……」
「兄貴、寂しいことを言わないで下さい。俺たちにとって尊敬する兄貴は弓削兄貴だけですよ。これからもついていきますよ」
ヤスさんがにっこりと笑った。
先にスタスタと歩き出した弓削さんの後ろ姿を見送りながら、
「プロポーズをされたのに相変わらず無反応な人」
橘さんがふとそんなことを漏らした。
「えっと、その、だから……」
ちゃんと聞こえていたみたいで耳まで真っ赤になるヤスさん。しどろもどろになりながら必死で言葉を継いだ。
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