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番外編彼が大好きな、彼フェチのりんりんさん

「参ったという割には随分と楽しそうだな」 弓削さんが顔を出した。 「車のなかで待機なんだろ?ここにいてはまずいんじゃねぇか?」 ポキポキと指を鳴らす弓削さん。 「暴力反対、弱い者いじめ反対」 「おぃ、おぃ、どの口が言ってんだ。オヤジが黙っていることをいいことに好き勝手してんじゃねぇぞ。手下の躾くらいちゃんとしろ」 じっと弓削さんの顔を見つめる宋さん。 「ジロジロ見るんじゃねぇ。俺は若林じゃないぞ」 「惚れ惚れする」 「は?」 「弓削、一つ忠告だ。お前狙われているぞ」 「誰がこんなオッサン。相手にすらされない」 「気づいてないだけで仲間内ではモテモテだぞ。卯月の次の次くらいに人気だ」 「色恋沙汰は懲り懲りだ。勘弁してくれ」 弓削さんが自嘲気味に笑った。 「未知と手下を必死で守ってきたんだろ?その手を見れば分かる」 弓削さんのごつごつと筋張った手をじっと見る宋さん。手には生々しい手術痕が残っていた。 「アイツに変なモン入られて。傷物にされて。これを見るたびに腹が立つだろう」 そこで言葉を止めると弓削さんに近付き耳元で短く何かを囁いた。 「いやそんな訳……」 信じられないといった表情で口を手で押えた。 「もしかして芫さんのことですか?」 すごく嫌な予感がした。 「未知に隠し事をしたらボスに怒られるな。芫の遺体が消えた」 りんりんさんが芫さんの息の根を止めたと話していたことを思い出した。

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