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番外編彼が大好きな、彼フェチのりんりんさん
「それってもしかして死神の中に黒竜の内通者がいるってことですか?」
「そうなるな。だから疑わしい連中をこっちに寄越せと覃に頼んだ。りんりんはあの通り卯月の尻ばかり追い掛けている。本当の馬鹿なのか演技なのかよく分からん。もう少しじっくりと時間をかけて見極める必要がある。さすがは未知。一切動じない。驚くと思ったから肩透かしをくらった気分だ」
「すみません。これでも驚いているんですけど……」
「そうなのか?へぇ~~なるほどな」
宋さんが納得したように小さく頷いた。
「そうなると山龍さんと隆次さんのどちらかですよね?信じたくはないけど……」
「いるだろう影が薄いのが一人。りんりんの弾よけの癖に暇さえあれば携帯でゲームばっかしているヤロウが。携帯をコンビニの駐車場に落として困っているんじゃないか?りんりんたちを監視していた若いのが拾った」
ジャケットの胸ポケットから黒いケースに入った携帯電話を取り出す弓削さん。
「大事なものだからおめさんに会ったときに渡そうと思ってんだ。ちょうど良かった」
「柚原は何て言ってた?」
「なんで柚原の名前が出てくるんだ?」
「知ってる癖に。すっとぼけるな」
差し出された携帯電話を受け取らずにやりと笑う宋さん。
「一度狙った獲物は決して逃さない。あの眼力の鋭さ。そして銃を撃たせたら百発百中。外したことがない。これを見ただけで全てを理解したはずだ。携帯を初期化することなくロックを解除するなど素人には到底無理だろう」
「てっきりヤロウの胸ばかり見ているかと思ったが。意外だな」
「おぃ、おぃ、覃と一緒にするな」
「見ているところはちゃんと見てんだな」
「五月蝿い」
ぷいっとそっぽを向いたまま携帯電話を受け取った。
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