4054 / 4061

番外編国井さん、熱烈に口説かれる

「ただいま~!」 チカちゃんが帰ってきたのは日付が変わる五分前のことだった。 「なにしてんの?こんなところで?」 障子の前に仲良く並んで座る橘さんと柚原さんの姿を見つけて声をかけるチカちゃん。 「それ、コンクリートマイク(壁面集音器)だよね?また盗み聞き?本当に好きよね」 「断じて盗み聞きではない」 真面目な顔で即答する柚原さん。 「現行犯で逮捕しちゃうわよ」 「久し振りだからな。次はいつになるかわからないからな」 「柚原、無視しないでよ。じゃあ、アタシも混ぜてもらおうかな」 「オヤジは今ミルクタイム中だ」 「ハルお兄ちゃんがミルクタイム?陽葵ちゃんじゃなくて?」 首を傾げるチカちゃん。顔が真っ赤になった。 「あら、やだ。ハルお兄ちゃんにそんな趣味があったなんて。さっそく千里に教えてあげないと」 「教えなくて結構です。間違いなく光希と心がえらい目に遇います。飲み慣れている遥琉だから消化不良になりお腹を壊さないだけで、一般人にはお勧め出来ません」 「チカ、なんでお前の方が照れているんだ?」 「だって……アハハ…………」 笑って誤魔化すチカちゃん。顔がひきつっていた。 「おぃ、静かにしろ。未知を起こしたらただじゃおかねぇからな」 彼のドスの聞いた低い声にその場にいた誰もがギクッとした。

ともだちにシェアしよう!