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番外編国井さん、熱烈に口説かれる

「ヤス兄貴、そろそろ行きますよ」 エプロン姿の佐治さんがヤスさんを呼びに来た。 「またきめっこしているんですか?」 「してない」 「佐治、エプロンを貸してほしい」 「別にいいですけど、あ、でもこれから移動販売に行かないと。今日はちょっと遠いところに行かないと行けなくてそれで早いんですよ」 「俺が売り子を一日代わる。たまにはいいだろう。その代わりミツオと一緒にねえさんの弾よけを頼んでもいいか?」 「マジっすか」 はっとして口を押さえる佐治さん。 「ため口ですみません」 「別に気にしていない」 「弓削兄貴、ヤス兄貴をお願いします」 エプロンを脱いで弓削さんに渡す佐治さん。 「佐治、ねえさんに傷一つ付けたらただじゃおかねぇからな」 「はい、肝に銘じます」 ぴんと背筋を伸ばし直立不動になって答える佐治さん。 「ヤス、鼻の下が伸びているぞ」 ニヤリと笑う伊澤さん。 「からかわないでくださいよ」 「からかってねぇぞ。若いっていいなぁ」 「伊澤さん、すみません。俺……」 「お前さんの気持ちは痛いほど分かる。俺がそうだったからな。見守るしか出来ないがせいぜい頑張れ」 ぽんと背中を軽く叩いた。 「佐治、悪いがこの紐を結んでくれないか?指が思うように動かねぇんだ」 「弓削兄貴、無理は禁物です。やっぱり俺が行きます」 エプロンの紐を結ぼうとした佐治さん。 「俺がいるのに、なんで頼んでくれないんですか?」 ムッとしたヤスさんが弓削さんの手首をむんずと掴み自分の方に引き寄せた。 「イタタ……ヤス、ちょっとは手加減してくれ。上段抜きで本当に痛いんだ」 「すみません」 ハッとして我に返るヤスさん。慌てて手を離した。

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