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第1話 視線。

又だ… 視線を感じる。 自惚れじゃない。 イエローは俺の事が好きだ。 眼鏡で誤魔化せてると思ってんのかな? 見詰め返すとふいっと視線を逸らす癖に、頬どころか耳まで真っ赤になる。 職場恋愛なんて上手くいってる時は良いけど、別れたら気まずいしなぁ。 そもそも、俺飽きっぽいし特定の相手とか面倒くさい。 お互い相手に困ってる訳じゃないから、知らないフリしてスルーしとくのが一番だな。 「イエロー・パープル、お疲れ〜!」 『ブラックお疲れ〜。ピンクは?』 「司令室で寝てる。ピンクの着替え取りに来た。」 ロッカーから服を取り出すブラックのマントの隙間から、濡れたちんリウムがちらりと見える。 『ブラック、下着ぐらい履けよ。』 「え〜。どうせ履いてもすぐ脱ぐし、これからピンクともう1ラウンド致すから。テヘッ。」 『テヘッ。じゃねーよ。キモい。』 「キモい言うな!あ、イエロー、ちんリウムに薬塗っておけよ。」 ブラックが俺の肩越しにイエローに薬を投げた。 「はい。」 『え?もしかして、さっきの戦闘で俺を庇って攻撃を喰らった時に怪我したのか?ごめんな…』 「只のかすり傷だ。気にしなくて良い。」 気にするなって言われてもなぁ… 「パープルが薬塗ってやりゃ良いじゃん。」 『俺が?何で?』 「お前を助けて怪我したんだから、それぐらいしてやれよ。じゃ、俺ピンクの所に戻るな!」 おいおい、言うだけ言ってスキップしながら行っちゃったよ。 「あのさ…」 振り向くと俺の直ぐ後ろにイエローが立っていた。 『な、なに?』 「俺が勝手にした事だし、其れにちんリウムは無事だ。陰毛辺りを擦っただけだから。」 『けど…』 「また明日な。」 アッサリしすぎてて、なんか拍子抜け。 逆にちょっかい出したくなっちゃうなぁ。 一度ぐらいなら試してみても… 『イエロー。』 「ん?」 『俺が薬塗ってやるよ』 「…え?」 『お前も仕事上がりだろ?』 「ああ。」 『そろそろ皆んな帰って来るから、場所移動しようぜ。』 「…何処に行くんだ?」 戸惑い気味に訊ねてくるイエローの手を引き、俺はホテルへと向かった。

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