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第9話
チュ……
あっという間に唇を奪われる。
「や、……ぅ、んっ。」
文句を言おうと口を開いたら、舌が入ってきた。
「んー!んむ……んんっ!」
「…………くす。色気ねぇな。」
色気なんかある訳ない!
「お、おまっ……お前、どういうつもりだ!?…………ん、ひゃあ!!」
前を掴まれて、体がビクビク震える。
「…………ふ。また勃ってんだ。可愛いね。」
か、可愛……!?
「着信にメール、ラ□ン、全部拒否。
…………虎。お前、俺の気持ちは考えた?
連絡つかなくてショックだった……」
麗人と目が合い、言葉を失う。
意味有りげなセリフ。ジッと見つめられて心臓の音が早くなる。
どういう事……?
麗人、もしかして、俺の事……?
「……くす。お前、可愛いすぎ。」
なっ!?からかわれた……!?
ムカムカ……
考えるより先に手が出た。
パシッ!腕を掴まれる。
「おっと。相変わらず手が早いな。
次は喰らうかっての。」
ニヤけてる顔も格好良くて本気で腹が立つ。
カチャカチャ。麗人が俺のベルトを外してきた。
「は!?お、お前……何してんの……」
「秘密にして欲しいんだろ?男にキスされて完勃ちしちゃう変態だって。店のスタッフが聞いたらビックリするよな。」
脅す気か?それより……
何故、脱がす必要が……?
クスクス笑う麗人を思いっきり睨む。
頭にくるけど……
「律には言わないで……!」
「お前、店長の事が好きなの?1日中、店長にベッタリ付いて回って。犬かよ……」
麗人は面白くなさそうに話した。
「ち、違っ!律は家族で俺の兄弟みたいなもんだ!憧れてるけど恋愛感情ってわけじゃ……」
あまりに動揺してしまい、まるで嘘をついてるみたいな言い訳になってしまう。
「…………ふーん。俺さ。誰とキスしても、お前とのキスを思い出したんだ。」
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