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第21話 ちょい※

ーー イーノ side ーー 頭に落ちてきた果物が潰れ、甘い汁が垂れてきた。口に入ってしまったけど毒や麻痺は無さそう、とホッとしたものの、リーフ様が慌ててる。……って事はやっぱり、毒!? 「大丈夫か!?」 どうやら碧翠郷に着いたらしい。 お姫様抱っこでものすごい速度で運ばれ、揺さぶられて目が回る。その上、ますます身体が熱くなってきた。 「目が回ったのか? すまない!」 「とんでもない!」 おれが軟弱だから目を回しただけなのに、謝られたら困る。それに……。 「あの、なんだか……身体が熱くて……」 「あの実に毒は無いはずだが……?」 やたらと甘い匂いの果物には、やっぱり毒は無いと言う。ならこの身体の熱さは? どうしてあんなに慌てたの??? 少し朦朧としながらリーフ様に連れられ、立派なお屋敷に着いた。そして連れて行かれた部屋には、それはそれは威厳たっぷりな、神々しいエルフ様がいらした。 「よく来たな。……早く香蜜桃を洗ってやりなさい。なぜ発情しているのだ? あぁ、あの猩々か」 発情、って言われた……! 恥ずかしい……。 それにしても毒じゃなくて良かったけど、猿酒? あの果実につけてあったのかな? よく分からないけど、ヌけば治るらしいので、少し安心した。 ……あれ? おれ、憧れのエルフの郷に来て早々、ヌくの??? ーー リーフ side ーー 生家へ戻り、使役妖精に家人への言付けを頼んで部屋に飛び込む。辛そうな様子のイーノを急いで浄化してから服を剥ぎ取り、控え目な陰茎を軽くしごいた。 「ひぁっ!」 先走りでテラテラと光るそこは、驚くほど早く爆ぜた。 「うわわわわっ! おれ、おれ、なんて事を!!」 「気にしなくて良い。それより風呂に入れても良いか?」 「自分で入ります! こんな事させてしまって……っ! 申し訳ありません!!」 1人で入ると言うが、香蜜桃を洗い流す薬草は適切な配合で使用しなければ役に立たない。間違えても毒にはならないが、匂いが消えない。そう説明して風呂場に連れて行った。 風呂の椅子に座らせた時には、また勃ち上がっていたが、知らぬふりをして薬草を洗浄剤に配合し、髪を洗った。 「……っ、んっ……、くぅ……」 「辛いのか?」 「い、いえ!」 猿酒のせいで感度が上がっているのか、髪を洗っても、身体を洗っても、感じてしまうようだ。 こんな時に、とは思うが……。 楽しい。 ついつい、反応の良い所をしつこく洗って、泣かせてしまった。 「も、やです……! だし、出したいぃぃ……」 「う……、悪かった」 射精したくないのか、根本をギュッと押さえて堪えている。出さなくてはいけないのに、なぜだ? 「だって、さっき……、リーフ様のかっ、顔に!!」 「興味本位で避けなかっただけだ。気にする必要はない」 「気にします!!」 少し朦朧としていた先ほどまでの方が素直だったが、我慢をしながらふるふると震えているのも愛らしい。 「ほら、何度か出さないとならないのだから、我慢してはいけないよ」 「うぅ……、見ないで、下さいぃぃぃ……」 「分かった。目を瞑ろう」 「ちがっ! ひん!」 背後から覆いかぶさり、陰茎の先端に触れると可愛らしい声を出した。だが、根元を抑える手は離さない。 私はため息を隠して浴室を後にした。 ーー イーノ side ーー やっと1人にしてもらえた! 安心して擦ったら二擦り……。 がっ、我慢してたから! 媚薬みたいだから!! それにしても治らない。 もう1回……。 まだか。 まだなの? 助けてぇ!! 「イーノ、まだ落ち着かないのか?」 「リーフ、様……! 助けて……!!」 すぐに出るのに勃起が治まらず、あちこちがじんじんして、触って欲しくて仕方ない。5回も出したのに!! 魔法で乾かしてもらい、すぐにベッドの上へ。すると、リーフ様は優しく啄むようなキスをしてくれた。 ぅえぇぇぇぇっ!? 「なななっ、何で!? 何でキスしてくれるんですか???」 「辛そうだから」 そうか、その方が効果が高いのか! どうしたら良いのか判らないので、全てをお任せする事にした。 ーー リーフ side ーー 不安そうな顔をするので、宥めようと口づけをしたら驚かれた。軽く触れるだけなのに。そして私の答えを間違えて解釈しているであろう事が伺える。 このまま最後まで抱いてしまいたいが……。いや、なし崩しは良くない。 ……だが!! イーノをイかせながら己の欲望から意識を逸らしていたが、結局気づかれてしまった。 「リーフ……、しゃま……、しゃわって、い?」 ぐぅっ!! 快楽漬けになり、舌足らずで朦朧としたイーノの破壊力は危険だ。 思わず誘われるままにイーノの手を取って私のものを握らせた。 「!!」 「ん、と……、こう……」 たどたどしい動きに焦らされ、上から握っていいように動かした。 乳首を捏ねられた時にも感じたが、イーノの手指は不可思議なほどに心地良い。油断すると喘ぎ声が漏れそうだ。誤魔化すようにイーノの唇を求め、最速で達した。 「よかった……」 私が達したのを見て嬉しそうにそう呟き、眠ってしまった。私は汗をかいたイーノを浄化してやり、掛け布をかけて部屋を出た。 両親と姉に挨拶をしてイーノを頼み、長の館へと戻る。 あの猩々がこの辺りを縄張りにしているのなら、郷の者達も追い払う算段をしているだろう。私も討伐隊に加わらねば。イーノは……、留守番だな。

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