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第26話 ※
ーー リーフ side ーー
家についてすぐ、イーノを浄化して使役精霊に遣いを頼む。胎内の種を取り出すための道具を借りてきて貰わなくては。
それにしてもこの植物の麻痺毒は幻覚作用があるのだろうか? それとも、操られているのか?
「リーフ、さまっ……、ここぉ、入れてぇ……」
胎内の種をより深く定着させるためだろうか、膝立ちで尻を突き出し、挿入するよう双丘を開いて誘う。
……こんな状況でなければ、喜ばしい限りなのだが。
種の位置を確かめるため、指を入れればいやらしく喘ぐ。鞘を覆う粘液の効果は、幻覚作用より媚薬成分なのかも知れない。筋弛緩作用もありそうだ。
「来たか」
使役精霊が持ってきた鉗子を受け取り、イーノの後孔に差し入れると引き摺り出されるのを拒否するように胎内が収縮した。
「力を抜きなさい。これは危ないからね」
「やぁ……、それ抜いちゃやらぁ……」
種の都合の良いように行動させられている。だが前を刺激すればふにゃりと力が抜けて尻を突き出す形になった。
ずるりと引き出した種は玉を連ねて包んだような形で、まるで淫具のようだった。引き出す時に膨らみが1つずつ、良いところを刺激するらしい。イーノは嬌声を上げつつ断続的に白濁を吐き出した。
それを取り出した後は洗浄液を入れて浄化をし、薬を塗れば処置は終わりだ。
この植物はエルフを狙わないので、郷の者は対処法を知らない。薬があって良かった。
「りーふ、しゃま? ここ、さびしいの……」
ごくり。
喉が鳴るのは当然の反応だろう。
未だ種に操られていて、埋め戻せと言いたいのだろうが、私の理性がとうとう崩壊した。
「ぁんっ! おっきいの、くりゅっ! 奥までぇ! 気持ちいいぃぃぃ……、もっとぉ……!!」
媚薬作用と筋弛緩効果に任せて挿入したところ、イーノの胎は私を温かく、柔らかく包み込んだ。塗り込んだ軟膏が潤滑油となっているためもあるかも知れない。
甘えて絡みつく快楽の罠に、ずぶずぶと嵌る。
これは運命だ。
イーノの命ある限り、手放すことなどできないだろう。
私のために生まれてきたに違いない、最高に相性の良い身体を心ゆくまで貪り尽くし、気を失ったイーノを清め、抱きしめて眠った。
ーー イーノ side ーー
目を覚ませばおれを抱き込む物好きなエルフ様に見つめられている。うっとり……。
「あっ! おはようございます……?」
「あぁ、おはよう。身体は大丈夫か?」
「えぇと……。身体中が軽い筋肉痛のような……? あと、何故かとてもすっきりしています」
「……憶えていないのか?」
悲しそうな顔をさせてしまった!!
え!?
おれ、何やった???
「昨日はタネツケカズラに種を植え付けられ、危うく命を落とすところだったんだよ」
「タネツケカズラ!? あの動物に種を植え付けて運ばせた挙句に、根を張り、死体を苗床にして育つやつですか!?」
冒険者の人達から話だけは聞いている。
森に深く入り込む予定はなかったので、怪談話程度に聞いていたけど、そうか。ポーターになればそんな危険も出てくるのか。
「アレはエルフを狙わないので、この森の種類は動物を好んでいるのだと考えていた。すまなかった」
「いえ、そんな! 何も謝ってもらう事なんて……」
あれ?
身体に種を植え付けたなら取り出したって事だよな。どこにも傷はないし、どこに植え付けられて、どうやって取り出したんだろう?
「……その、アレは……」
リーフ様はとても言い辛そうに説明してくれた。
なん……だと……!?
「本意ではないと理解していたのに、イーノの痴態に理性が崩壊してしまって……、身体をつなげてしまった。本当に申し訳ない」
「い、いえ、その……、別に嫌だとか、謝って欲しいとかは全然なくてですね……。おれなんかの、し、尻から種を取り出すなんて……、申し訳ないと……」
「とても、扇情的、だった……」
「……いやいやではなかった、と?」
「そうだ」
食い気味に頷かれてしまった。
扇情的と言うことは、エロい、ってこと?
おれが???
「ちゃんと憶えてなくて……、すみません」
「命の危険があったのだ。身を守るために無意識に記憶を封じたのかも知れない。……嫌でなければ、また肌を重ねても構わない……、だろうか?」
また?
肌を重ねる!?
リーフ様に抱かれることが、嫌なわけないでしょう!!
……そう考えるようになっている今日この頃。
朝のいちゃいちゃと一緒にお風呂入るのと、愛らしい愛らしいと連呼されるせいかな? それとも自分の将来として抱く方か抱かれる方か、漠然としか想像してなかったせいかな? リーフ様がそうしたいのなら、抱かれる方でもまるで抵抗がない。
よし!
「リーフ様、いつでも構いませんから、また抱いて下さい!」
「っ!!」
おれの言葉に、顔を真っ赤にして俯くリーフ様!! 綺麗で格好良くて強くてかわいいとか、もうもう、最高に最強!! 至高!!!!
猩々を追い払って、銀芙蓉の採取が終わったらしばらく篭るか、なんて小さな呟きを拾った耳が熱い。
そんな嬉し恥ずかしい時をぶった斬る腹の虫に急かされて、朝食を食べに行こうとした。でも腰が抜けてて歩けなかったから部屋で食べた。
ブラウニーさん、ありがとう!!
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