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第6話 *
先輩……つまり、男性を好きな僕は、少しだけど知識がある。
だから、そんな体勢で先輩の前にいるなんて……絶対、無理。
「は? オイ、いきなり暴れるな……!」
突然暴れ出した僕に驚いて、先輩の手が腰からズレる。
その瞬間。
――僕は大きく、跳ねた。
「あ……っ!」
腰を掴んでいた先輩の手が、僕が暴れたことによって滑ってしまい。
――僕の股間に、触れたからだ。
熱を持ってしまったソコは、布越しとはいえ好きな人に触れられて、過敏に反応してしまう。
触れられた、ということは……先輩が触れた、ということ。
だから……勿論、気付かれる。
「……日達、お前――」
「違いますっ!」
先輩は驚いているのか、僕のソコから手を動かせないでいるようだ。
そんな状況なのに、どんどん体が熱くなってくる。
暫くなにもできず、お互いに固まっていると。
「……日達」
――先に動いたのは、先輩だった。
「え、な……や、あっ!」
あろうことか、先輩は手を離すのではなく。
更に、押し付けてきたのだ。
それどころか、僕の熱くなっているところを重点的に撫でてきた。
「はっ、あ……何で、先輩……っ」
「随分と窮屈そうだな」
「なに、言って……やっ!」
いきなり撫でられた、ということに戸惑っていると。
――先輩の行為が、エスカレートし始めた。
ベルトが外され、チャックも下ろされていたズボンを、先輩は簡単に脱がす。
太腿の下まで下ろされると、今度は下着にも手を掛けてくる。
「や……っ! 先輩、なにしようとして――」
「辛そうにしてるからな」
「だ、駄目です先輩っ! パンツは下げちゃ、あっ!」
僕の制止を無視して、先輩は下着すらも下ろした。
下着の中に収まっていた僕の熱が、先輩によって露出される。
ソコに、先輩の冷たい指が這う。
「さっきのは演技じゃなくて、本気の顔だったのか」
「あ、ふぁ……っ! 先輩、やめて……っ」
「こんなに悦んでるくせに、何でやめて欲しいんだ?」
「んっ!」
根元から先端までなぞられると、その冷たい指の感覚に背筋がゾクゾクする。
親指と人差し指で先端をつままれ、押しつぶすように圧をかけられると、口から勝手に甘い吐息が漏れ出た。
「あっ、あ……せんぱ、やだ、だめですっ」
「嫌がってるくせに、先端からなにか出てきてるぞ?」
「あっ!」
そん、なの……。
好きな人に触られて、なにも感じるなって方が……無理、だ。
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