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②高校生活は前途多難!?
何度見直しても、結果は同じだった。
バスローブ姿と広い部屋。
そのバスローブは寝相が悪かったのだろうか。右肩からズレているし、太ももまで、ぱっくり開いていた。
それで俺、バスローブなんて持ってたっけ?
いつ買ったの?
疑問が頭の中を駆け巡る。
パチパチと瞬きを繰り返し、しばらく放心状態な俺。
だけど少しずつ記憶が戻ってきた。
……たしか、昨日。
月夜 が俺ん家に来たんだよ。
それで用意した荷物をキャリーケースに詰め込んで……。
俺が持てるって言ったのに、それでも重たいキャリーケースを月夜が持ってくれて……。
ーーああ、そうだ。
ここは月夜ん家の別荘で、セキュリティーシステムばっちりなマンションだ。
今日から俺は花音として月夜と暮らすんだった……。
「そっか……そうだったな……」
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