78 / 305
①高校生活は前途多難!?
◆第六話◆
「……ん」
……なんだろう。
味噌の香ばしい匂いがする……。
俺はどこからともなく漂ってくる匂いにつられて目を開けた。
するとそこは……見知らぬ部屋だった。
目の前の大きな窓には真っ白なカーテンが揺れている。
ベッドから身を起こし、周囲を見渡せばーーナイトテーブルとアンティークのランプひとつ……。
見えるのはだだっ広いその部屋の全貌。
……ここ、どこ?
見知らぬ部屋の中で、俺はしばし放心状態になる。
俺はただ漠然としていると、秋の冷たい空気がふわりと俺の胸元を撫でた。
……さむっ。
ぶるりと震えて見下ろせば……あれ? バスローブ?
なんでバスローブ?
パジャマじゃないんだ?
自分が着ている寝間着に見覚えがない。
もう一度部屋を見渡す俺。
「…………」
そしてまた自分の格好を確認する。
ともだちにシェアしよう!