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④高校生活は前途多難!?
……ぎゅるるるる。
『飯』のことを考えたとたん、腹は空腹を訴えてきた。
壁にかかっている薔薇 だろうか。
花の形をした珍しい時計を見れば、時刻は6時30分だった。
いつも時間ギリギリまで寝ている俺にしては早起きだな。
などと考えながら、ベッドから下りた俺は目の前にある引き戸を開け、味噌の匂いが漂うダイニングキッチンへと真っ直ぐ向かった。
ーーガチャ。
寝室とダイニングキッチンを阻む茶色いドアを開ける。
中へと入ると、キッチンに立っている人物が見えた。
えっと? 何を作ってくれてるんだろう。
俺は声もかけずにそのまま近づく。
気配を察知したのか、月夜は振り向いた。
蜂蜜のような色をした長い髪は輝く朝の光の効果で金色色に輝いている。
そのおかげもあってか、象牙色 の肌はいつにも増して白く輝いているように見えた。
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