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⑤高校生活は前途多難!?
まるで天使。
思わずごくんと唾を飲む。
彼はやっぱり昨日と同じで変わらない優しい笑顔だった。
目の前の小窓から朝の光が流れるようにして彼を包み込んでいる。
ワイン色のブレザーの上から水色のエプロンを身につけていた。
エプロン姿の天使……。
そう考えると、なかなかおかしなように思えるが、似合っているんだから不思議だ。
「あ、おはよう花音 。起きたんだね。今、ちょうど朝食ができたから用意しておくよ。その間に着替えておいで」
「……あ、ああ」
朝っぱらから、ほんわかした笑顔を向けられて呆気にとられてしまう。
俺はぽかんと口を開けたまま、上っ面な返事をした。
でもさ、月夜は華道家の家柄だ。
そういう家なら、食事は女性にまかせたりしそうなものなのに、どうして月夜がつくっているのだろう。
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