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⑳高校生活は前途多難!?

 二重のどんぐりみたいな大きな目に、小さな鼻と赤い唇。  彼女はつり目で、ちょっと――いや、かなり気が強そうだ。  雰囲気は、なんだか花音と似ているかもしれない。  そんなだからか、俺は山本に少し親近感が湧いた。  山本の後ろの席――つまりは俺の席になる場所は、日光が当たっている。  よく眠れそう……。  ――なんて考えてしまった俺は、しょっぱなから授業を受ける気サラサラない。  俺は先生から促された席へと向かう。  途中、耳の端っこで女子のヒソヒソと話す声が聞こえた。 (「ねぇ、あの子だよ? 葉桜 月夜くんの許婚……」) (「ええっ? うそ!」) (「ああ、いいな~。玉の輿。あたしももうちょっと美人だったら、葉桜くんと付き合えたのに……」) (「あ~、ほんとよね、ショック。葉桜くん、狙ってたのにぃ~」)  ……話の内容、マル聞こえなんですけど……。

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