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㉕高校生活は前途多難!?

 うわ、誰? すごく美人だ。  腰まである流れるような綺麗な黒髪。  遠くからでも長いことがわかる睫毛(まつげ)。  一重の目は細くて、化粧もしていないのに肌は白くて赤い唇はふっくらとしている。  立ち姿はまるで針金でも背中に仕込んでいるのようにピンと伸びていて、どこか品がある。  日本人形のような……そんな美人だった。  その女子は、傍らにいた男子三人と話すのを止め、俺と視線が合うと、ものすごく睨んできた。  その途端、俺の体が凍ったみたいに固くなる。  え――?  俺、睨まれるようなこと、何かしたっけ?  あの女子とは初対面なはずなのに、なぜかものすごい形相で睨まれて、俺はありもしない彼女との思い出を探ってしまった。  俺がドギマギしている中、その女子は迷いもなく俺に近づいてきた。  それはすれ違い様だった。 「葉桜くんの許婚だからって、いい気にならないでよね」

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