101 / 305
㉔高校生活は前途多難!?
――なんて思いながらも、俺ってば今は女子だった。
自分に突っ込みを入れる。
そうやって朝のホームルームが終了すれば、俺と沙耶の周りには男女問わず、クラスメイトたちが群れになってやって来る。
「花音ちゃんって、どこから来たの?」
「前の学校はどんなとこだったの?」
「カッコイイ男の人、いた?」
「付き合っていた人はいるの? って、葉桜くん以上はいないよね……」
などと話しかけてくる。
俺、実はこういうのも苦手なんだよな……。
思わず逃げ腰になってしまう。
目を泳がせて月夜の方へとなんとなく目を向ければ……。
月夜も今の俺と同じ状態になっていた。
「ちょっと、ごめん」
月夜に頼ることができなくなった俺は、この場から逃げようとトイレを口実にして椅子から腰を上げる。
すると、視界が広くなった俺の前方で、ひとりの女子と目が合った。
ともだちにシェアしよう!