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⑭あなたと俺の相愛数。
「月夜?」
俺、言っちゃいけないことを言ってしまったんだろうか。
不安になって尋ねてみると、月夜は俺の肩口に顔をうずめ、苦しんでいるようだ。
月夜は、「う~ん」と唸っている。
「月夜? 俺、何か気に障ることでも言った?」
どうしよう。
俺、何かいけないことを言ったのかな。
「もういい。容赦しない。君が言うとおり、明日は学校もあるし、少し我慢しようと思ったのに……。俺をここまで追い詰めたのは君だ。今日はうんと泣かせるかもしれないけれど、覚悟してね」
俺の肩口から顔が上がる。
満面の笑みを浮かべてそう言った。
「――え」
月夜の両手はもちろん俺の腰をしっかり掴んでいる。
逃げられない。
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