301 / 305

⑬あなたと俺の相愛数。

「ちょ……つき…………待っ!! 寝かせないって、明日学校!!」  明日は月曜日。  学校がある。  俺が反論する声は、だけど最後はすすり泣きになるだろう。  月夜になら、どこで抱かれてもいいと思ってしまうから困りものだ。 「これからは藤堂さんには何も言わせない。もし、亜瑠兎が不安になるのなら、何度だって愛を示そう。俺の可愛い亜瑠兎。愛しているよ」 「つきや!!」  月夜……。 「月夜、俺。いい秘書になれるようにがんばるから……。だから……あなたの隣にいさせて……」  どうか、  どうか。  この手を離さないで。  わがまま。  俺は途切れ途切れに話す。  たぶん、俺と月夜の相愛数は俺の方がずっと上だ。  ずっとずっと月夜を想っている。 「亜瑠兎、君って人は……」  わがままを言った途端だった。  月夜はふいにがっくりと頭を下げ、それっきり動かなくなってしまった。

ともだちにシェアしよう!