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※おまけ。
◆
「おやおや、めずらしいなあ。月夜 がわしの写真を眺めているなんて」
「あ、おじいさま……あ、あの、こ、これは!!」
おれはさいきん夢中になっているものがある。
今日もそれを実行するため、おじいさまの部屋に入った。
おじいさまに知られないようにこっそり見るはずが、だけど今日はそうはいかなかった。
どうしよう。
おじいさまのアルバムを勝手に持ち出していたことがバレちゃった!
おれはあわてて、見ていたアルバムを後ろにかくした。
「隠さんでいいだろう? 最近、決まってそのページを見ているじゃないか」
おじいさま、どうやらおれがアルバムを持ち出していたことに気づいていたみたい。
「篠崎 さんとお孫さんが写っている写真が気になるのかね? どれどれ? 月夜が気になったのはどっちの娘さんかね?」
おじいさまの手が、アルバムを掴んだ。
「この子かな? それともこっちの……」
「あっ……!」
おじいさまの指がひとりの子をさした。
思わず声を上げてしまう。
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